岡倉天心2
茨城五浦に移転する以前から、天心はアメリカはボストン美術館の中国・日本部というところでも仕事を始めていました。東洋美術品の整理や目録作成などです。そして美術館の展示物を収集するために日本とアメリカの間を往復することが多くなっていきました。横山大観らもアメリカへ同行し、現地で展覧会なども催していたそうです。また、アメリカでは東洋の文化を紹介することにも力を入れ、「the book of tea(茶の本)」など自作の本も著作しました。この本は、茶をテーマに日常生活での自然と芸術の調和を説いたもので、日本の文化思想を紹介した著作物として世界的に高い評価を得ました。
プライベートでは、日本滞在時はそのほとんどの時間を、悠久な大自然を好んだ五浦で過ごしました。五浦では地元の釣り名人に釣りを教わり、無類の釣り好きとなり、釣り船を船大工に作らせるまで凝っていたのだそうです。
晩年には、ボストンに歌劇場ができることを聞いてオペラまで作成しましたが、体調がすぐれなくなり帰国。療養のため、五浦ではなく新潟県の赤倉温泉で静養しましたが、そこで永眠しました。1913年(大正2年)享年50歳でした。
2014年12月2日
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