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お墓に刻むデザイン

ただいまブラジルでサッカーW杯が開催されておりますね。今日はサッカーにちなんだお話を。

2年前の新聞記事になっていたお話ですので、知っている方もおられるかもしれません。
ドイツのドルトムントという町にサッカーの大好きな少年がおりました。「おりました」というのは、今から2年前の2012年にその少年は9歳という若さで脳腫瘍という病気で亡くなってしまっているからです。

少年は生前地元のドルトムントというプロサッカーチームの大ファンでした。少年はその若さで余命いくばくもないということだったからなのか、入院中ドルトムントの監督や選手たちがお見舞いに駆けつけてくれてもいたのだそうです。チームはその年優勝したのですが、優勝決定した数日後少年は帰らぬ人となってしまいました。
家族はその少年のお墓を自分たちが通う教会の墓地に建立し、少年の大好きだったサッカーチームドルトムントのロゴマークをそのお墓に刻もうと思っていました。ロゴを刻むことは少年の願いだったそうで、家族にしてみればなんとか実現してやりたかったことでしょう。
しかし、教会がそのことを拒否したのです。規約によれば、「墓石に彫ることができるモチーフはあくまでもキリスト教関連の内容に限る」となっているのだそうです。墓石に何でも彫ることができてしまえば、死者が眠る神聖な墓地の雰囲気が破壊されてしまう危険性が起きかねないからです。サッカークラブのロゴなどは教会の墓地にはそぐわないということなのでしょう。
このことがニュースになると、ドルトムントのファンなどから、少年を願いを叶えてやるようにという運動がまきおこり、教会に対しても多数の抗議が起こったそうです。
結局教会側から、墓石上部ではなく下部でなら彫刻してもよい、キリスト教のシンボルである鳩も一緒に彫刻するのなら良いという妥協案が提示され、双方納得されたということでした。

わたくしどものような民営霊園ならともかく、教会の墓地ともなると宗教上さまざまな制約があるものですね。

2014年6月24日

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