ジョホール州の日本人墓地(1)
※この項の内容は「ジョホール日本人会」の方の許諾を得て、資料を参考にさせていただきました。
世界には、あちこちに日本人墓地があります。以前ご紹介したことのあるオーストラリアのカウラ、北米にはカリフォルニア州のコルマ、南米にはブラジル・ペルー・ボリビアなどにありますが、やはりアジア(特に極東・東南アジア)に日本人墓地が多いようです。
日本人墓地は、戦争・移住・帰化などで多数の日本人が現地に暮らすようになった場合にできますが、今回ご紹介するジョホール州の墓地は、色々な理由でこの地にやってきた人たちのお墓や碑が、理由や年代を超え、日本人たちの手によってひとつにまとめられたものです。
ジョホール州はマレーシア13州のうちでマレー半島最南端に位置し、その州都ジョホールバルはジョホール海峡(ジョホール水道)を隔ててシンガポールに面しています。州都ジョホールバルはマレーシア国内ではクアラルンプールに次ぐ2番目の規模で、人口85万人といわれており、今は大規模な開発計画がすすめられていてめざましく発展しているのだそうです。
そんなジョホールには昔から日本人が移住してきていることもあり、「ジョホール日本人会」という組織もあるそうです。その「ジョホール日本人会」が管理している「ジョホール日本人墓地」は現地の方々の苦労の末、立派な墓地にまとめられたのだそうです。
1962年(昭和37年)ユニチカと三井物産が香港資本と合弁で、ジョホールに紡績会社を設立しました。そこで日本からやってきた駐在スタッフが、現地の日本人から付近にいくつかの日本人のお墓がある旨を聞き、探しだしたのがこの日本人墓地だったのだそうです。発見当時は80基ほどあったそうなのですが、木製の墓標が多くその後は多くが朽ちてしまったのだそうです。
その方々は、ジャングルと化していた墓地を切り開き綺麗に整備されたのだそうです。自分たちの仕事もありながらここまでするというのは、簡単ではありませんね。
ここは日本人会の方々が管理されており、その後もジョホール州のあちこちにうずもれていた日本人に関わるお墓・鎮魂碑などをこの墓地に移設されてきたのだそうです。誰からもお参りなどされることなく、ジャングル化した中にうずもれていたお墓を見つけ出し、移転して供養するというのも並大抵のことではできないと思います。
今でも日本人会では、年に1度日本からボランティアで住職などにきていただき、供養をして差し上げているのだそうです。また、日本から日本人墓地にお参りにこられる方のサポートもされているのだそうです。
この墓地に集められたお墓・碑には、ひとつひとつに物語があると思います(もちろん世界中のどのお墓にも物語はあるのですが)。この墓地を整備された方々に畏敬の念もこめまして、次回から、いくつかのお墓・史碑についてご紹介していきたいと思います。
2014年1月21日
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